女性が働きやすい制度を導入

 タクシー業界はドライバーの高齢化が進んでおり、体力の低下や病気などで年々労働人口が減っている。また男性社会というイメージが強く残っており、女性や若年者の採用が難しい状況にあった。『第一交通産業グループ』では、時間の融通がきくタクシー乗務は多様な働き方ができることに着目し、2015年から本格的に子育て中の女性に向けた募集を開始。柔軟な勤務時間の設定や固定給採用、車両設備や施設整備の改善を図り、3年間で200人を採用した。2017 年度末時点で、全国法人タクシーの女性ドライバー比率2.2% に対して、同社は4.6% となっている。

男性、若者の雇用も促進

 女性乗務員の雇用に対する取り組みと職場環境の整備が評価され、2016年8月には国土交通省の「女性ドライバー応援企業」の認定を受けた。社員の情報交換や悩み相談、懇親のために「女性会議」を開催し、会議で出された意見や要望をもとに、さまざまな改善を進めている。働きやすい職場づくりによって、男性の入社希望も増えてきた。若者の雇用促進のために、35歳以下を対象に、保障給制度を設けるなどの優遇措置を設定した「夢チャレ制度」を導入。「正社員として、当社で働きながら、将来の夢を探す」をコンセプトに若年層の募集を強化している。

女性会議集合写真画像
同社で行われる「女性会議」。ディスカッションで女性乗務員たちの本音や要望が出され、スピードと推進力を持って実行に移される有意義な場となっている。

改革1 子育てと両立できる柔軟な勤務時間を設定

 二種免許の取得費用は全額会社負担で、14日ほどで取得できる。子どもの保育園送迎などを考慮し、勤務体系は基本的に8時~17時(休憩1時間)の昼間限定、週休2日制(土日休み)。子どもが病気のときや、授業参観への出席などにも対応できるように柔軟な勤務時間を導入している。

改革2 女性会議を開催し意見や要望に応える

 普段は別々の営業所で働いている女性社員を地区ごとに集め、「女性会議」を開催。会議で出された意見や要望を集約して、できることから随時導入し、働きやすい職場づくりを進めている。また、要望に応え、女性用トイレの改装、更衣室やロッカーの設置、防犯ボードのサイズ拡大、催涙スプレーの配布、セクハラ防止ガイドラインの策定などを実施。また、従来からあった企業内託児所に加え、2018年4月には企業主導型保育事業を活用し新たに保育施設を開設した。

交通事業部 勤労課 中河原 健右さん(右)、乗務員 佐伯 奈美さん(左)画像

交通事業部 勤労課 中河原 健右さん(右)

 「ママサポートタクシー」や「介護タクシー」などさまざまなニーズがあり、気配りができる女性乗務員を望むお客様が増えています。これからも積極的に採用活動に取り組み、働きやすい職場づくりを推進していきます。

乗務員 佐伯 奈美さん(左)

 母がタクシーに乗って働く姿を見て、同じ仕事をしてみたいと思い入社しました。固定給制度があるので安心ですし、自分のペースで働けています。当初は特に運転が好きなわけでもありませんでしたが、お客様を乗せて色んな場所に行くうちに好きになりました。