長く働き続けられる仕組みづくり

 2012年から働き方を見直し、取組みを始めた『学校法人ひかり学園曽根ひかり幼稚園』。幼稚園教諭は園児が帰った後も仕事が多く、特に行事前の残業は長時間に及ぶ。そのため、結婚と同時に職員が退職していた。仕事を続けられる環境を整えるために、まずは残業の削減に着手した。月に一度「ノー残業デー」を実施したが、業務量は変わらず、徐々に実施率が低下。残業せざるを得ない状況についてみんなで話し合い、業務のあり方を見直した。クラス担任の仕事内容を全て書き出し、見える化して全員で共有し、ワークシェアリングを進めた。

分かち合うことで仕事の負担を軽減

 ワークシェアリングの要となったのが、担任を持たない補助職員の存在。結婚・出産で一度仕事を辞め、子育てが落ち着いた幼稚園教諭がパートで勤務している。当初は2人だったが、現在は5人に増員。以前はクラス担任が残業して行っていた業務を、保育時間内に手際よく終わらせている。預かり保育も昨年から専門の職員に引き継いでクラス担任の業務量を軽減し、時間的にも精神的にも余裕が生まれた。現在は4人の職員が、子育てをしながら仕事を続けている。

ラベルワーク画像
大きな行事の後には、反省会を実施。「ラベルワーク」を活用して、全員が意見を出している。

改革1 行事ごとにファイルを作成し全員で情報を共有する

 入園式から卒園式まで年間50回の行事を、全てファイル化。行事ごとに担当者を決め、仕事の内容を洗い出し、やるべきことを1冊のファイルにまとめた。全職員で業務の流れや内容を共有し、行事を進行している。

改革2 補助専門の職員が業務を分担

 プログラムづくりや作品展の準備など、時間がかかる細やかな作業は、主に補助職員が行っている。業務内容を可視化したことによって、誰が何をいつまでに行えばよいか明確になり、スムーズな役割分担ができている。

改革3 選べる出勤時間、半日休暇を制度化

 8時までの定時出勤が難しい職員は、8時半または9時の時間を選べる制度をつくった。実際に3人の職員が利用し、子どもを保育園に預けてから出勤している。また、半日休暇制度を導入し、授業参観、介護、通院などで半日休むときは、事前に申請書を提出。制度化することで、遠慮せずに休みが取れるようになった。

園長 篠原 美登里さん(左)、幼稚園教諭 新井 あかねさん(右)画像

園長 篠原 美登里さん(左)

 先生たちには笑顔で元気に働いてほしいと思い、5年ほどかけて業務改革を進めてきました。ワークシェアリングによって職員間のコミュニケーションが円滑になり、子どもたちや保護者の方と接するときも笑顔が増えました。

幼稚園教諭 新井 あかねさん(右)

 2年前に出産し、育児休暇を1年取って復職しました。子育て中の先生も2人いたので、辞めるという選択肢はありませんでした。子どもの病気など、何かあっても支えてくれる先生方がいるので安心して働けます。