取組区分

目指した姿

子供たちへの自立支援と日常生活の充実のための活動を通して、子供たちの変化・成⾧が実感できる職場にすること。

取組のきっかけ

子供の適切な行動(善行:日常的にできる行為)を促進するために、トークンエコノミー法を取り入れていたが、一部の職員が関わっているだけの状態であり、また、利用回数の少ない子、ADL(日常生活動作)に支障ない子は、トークンをもらえる機会が少ないのが現状だった。本講座1回目の受講後の職員会議時において、心誉会及び職員の目標を達成したときに味わうのが達成感であり、それに至るまでのプロセスにおいて感じるのがやりがいだとしたら、その目標は、「子供たちの変化であり、子供たちの成⾧」ではないかという総意のもと、トークンエコノミー法を展開・発展させることにした。

取組内容

1.トークン(代用貨幣:タプチップ)を与える行動を増やす。
2.個別支援課題もトークンを与える行動対象にする。
3.トークンを奪う(マイナスタプチップ)行動も決める。
4.トークンは大盤振る舞いし、流通させることで、価値・認知度をあげていく。
5.子供たち一人ひとりの目標及び目標達成のための手法を職員全員で決め、進捗等情報共有を促進する。
6.家庭背景や家庭での暮らしぶりの情報交換を積極的に行う。
7.褒美は、子供たちの思いを聞き種類を増やしていき、表彰式を施設行事として盛大に行う。

取組プロセス

基本講座後 トークンエコノミー法の展開・発展を主眼にした取組みを考えた。
中間報告会後   トークンエコノミー法には、職員のスキル向上と施設全体で取組む必要性を実感した。

 

取組効果

A君:下肢肢体不自由、知的発達障害、オムツ常用
タプチップ導入前:トイレ誘導するも従わず、結果として排便で服まで汚してしまう。家庭にて、排便により服等を汚したことで、叱られ・規制をかけられていたのではないか。
タプチップ導入後:2か月経過し、ようやくトイレ誘導に素直に従うようになった。
トイレ以外のタプチップ獲得に興味を持つようになってきた。
叱られることから褒められることで、気分の安定を維持できるように変化してきた。

タプチップ

取り組んでみた感想とメッセージ

職員の変化:他の子たちに威圧的態度をとる子が、家庭で威圧的雰囲気の中で生活していることがわかると、職員の関わり方も変わってくる。(大声に大声で対応しない) 職員それぞれが、子どもたちのことを理解していくことで、目的意識をもって関わる姿勢に変わっている。 子どもたちの変化と成⾧のためのスキルアップや工夫をどうしたらいいのかという課題は、「子どもたちのことをよく知る」ことで解決できるのではないだろうか。