方向性を目に見える形で共有化

 小郡市全域の家庭ごみ・資源ごみの収集運搬を中核事業として行う、『有限会社共栄資源管理センター小郡』。企業の将来と社会環境の変化に対応するため、男女共に活躍できる風土を作る必要があった。2002年から全社員参加型の経営計画書を作成し、携帯しやすいハンドブックにして社員全員に配布。透明性のある経営を目標にしており、部門目標や各月の業務計画表には研修や会議、誰が参加するかも細かく組み込まれた、社員共通の仕事手帳となっている。

社員と一緒に成長し、歩む

 社員のモチベーションの向上が顧客に還元され、満足度にも繋がった。経済産業省「おもてなし経営企業選」、厚労省「キャリア支援企業表彰2014」等で表彰を受けたことも後押しに。また、厚労省「働き方・休み方改革推進事業」のモデル企業に選出され、客観的な分析を受けたことでさらに改善が進んだ。人材が育つことで新規事業の展開も可能になった。売上げや社員数も年々増加。取組みの成果が着実に企業の力になっている。

職場の様子画像
ジョブローテーションにより、部署を超えた柔軟な対応も可能に。

改革1 社員の「多能工化」でスキルアップ

 入社後3年で全3部署全ての仕事を経験させる。また定期的に部署替えを行い、多能工化を図っている。業務や期間を詳細に設定しているため、社員も行動しやすい。個人に仕事をつけるのではなく、仕事に人をあてる計画的な人材配置を行っている。

改革2 人事評価を見える化し、キャリア形成

 人事評価の評価項目や必要なスキルを「見える化」することで、社員が目指す姿を理解して行動できるようにした。上司や社員の間で評価のずれが生じにくいため、納得度が高く透明性ある人事評価を行えている。

改革3 人材育成が新規事業の拡大へ繋がった

 キャリアアップに必要な技能を段階的に示し、キャリア支援のための社内外での研修の受講や必要な資格取得を会社側で計画。結果、目標を持ち自発的に資格取得する人材が育ち、ホームリメイクなど新規事業の展開の後押しになっている。

代表取締役社長 野﨑 千尋さん(左)、開発・営業 道久 嘉朗さん(右)画像

代表取締役社長 野﨑 千尋さん(左)

 会社の目標に対して、そこに到る道を何本も作ることで、社員の選択肢を広げて到達できるようにしています。男女で仕事の差を作らず、ゼネラリストになることがキャリアを作ると考えています。

開発・営業 道久 嘉朗さん(右)

 全ての部署を経験し、仕事の全工程を理解しているので、自分の仕事の位置づけを念頭に行動するようになりました。キャリア支援や研修が多く、スキルが高まることで任される仕事が増えるのは喜びです。