取組区分

取組のきっかけ

 私たちは、地域住民が安心して暮らせるよう、地域福祉を推進する公共性の高い非営利団体です。
 少子高齢化で福祉ニーズが高まる中、2040年問題という社会課題への対応のため、職員の確保・定着は重要な課題です。
 そうした中で、近隣同業との給与格差や勤務時間の柔軟性など、待遇面・制度面の不十分さが当協議会で働き続ける上でネックとなっていることや、これまでのアナログな仕事の進め方にも改善の余地があることが明らかになり、まずは職員が働きやすい環境を整えるための改革が必要だと考えました。
※2040年問題…高齢者急増と生産年齢人口の減少に直面し、医療・介護や経済に深刻な影響が出る問題。特に医療・福祉分野では約100万人の人材不足が生じる見込み。

取組内容と結果

「2040年問題に対応可能な社協」を目指すため、下記の3つの取組の柱をもとに、改革を行うこととしました。


【取組の柱】
 ① 職員の待遇面の一般水準化
 ② 多様な働き方を実現し、選ばれる職場づくり
 ③ 福祉人材を育てる仕組みづくり

改革1 待遇面・多様な働き方

【具体的な取組】
・時差出勤制度の導入
 
→生活スタイルに合わせ早出・遅出など3種類から選択が可能。
・休暇制度の整備
 
→大木町役場の休暇制度に準拠するよう整備した。
・給与体系を見直し、近隣同業との給与格差の解消
・子どもの支援休暇・介護休暇の有給化

 ※当協議会にて設けている特別休暇
・女性職員のピアランチミーティングの実施
 
→育児や介護など多様な背景をもつ職員同士が互いの悩みや働き方について意見交換。
・カスタマーハラスメントへの対応方針を策定・公表
 
→顧客などからの高圧的な態度や不当な要求から職員を守るため、職員の心理的安全性を確保。安心して働ける環境を整備。
・ゼロ・ハラスメント宣言・公表
【取組成果】

 給与格差の解消や諸制度の改革・導入による職員のモチベーションや働きやすさの向上といった効果に加え、「柔軟かつ積極的により良く変化し続ける地域のフロントランナー的な職場」との認識や一体感が職員の中で高まり、離職防止・定着化につながっています。

改革2 人材育成

【具体的な取組】
・内部研修の年間計画の策定と計画的な実施
 
→毎月1回、報連相やストレスマネジメントなどの研修を実施。
・資格手当制度、資格取得助成制度の創設
 
→業務に関係する資格保有者に資格手当を支給。また、資格取得希望者には、受講費用を一部助成。
・YouTubeの活用
 
→既存のビジネス系YouTubeを活用し、自身の業務の都合に合わせ柔軟に学ぶ。
・人事評価制度の見直し
 
→評価項目の細分化・具体化による客観性及び精度の向上。個々の職員に合わせた丁寧なフィードバックを行い、人材育成につなげる。
【取組成果】
 資格手当や資格取得助成制度の創設により、主体的な自己研鑽の意欲が高まり、「自分の成長・スキルアップが実現できる職場」といった認識が職員の間に広がっています。
 

改革3 業務の効率化

【具体的な取組】
・ビジネスチャットツールの導入
・パソコンの音声入力機能による議事録や日報作成業務の省力化
・ヒヤリハット集「虎の巻」の活用
 
→日常業務で得た共有すべき情報やリスク事案、イレギュラー時の対応を集積。

  知識やノウハウの共有・継承、人材の効率的な育成に活用している。(232件・R7年11月時点)
・パソコンスキル向上のための意識改革ツール「詰めパソコン」
 
→最小限の操作(キーボード、マウスの操作回数など)でのミッション完了を目指す簡易的なチャレンジツールを作成・活用し、

  パソコンスキル向上や業務効率化を図った。
【取組成果】
 チャットツールの活用により、漏れがなく、速やかな情報共有が実現。議事録や日報作成業務が省力化され、効率的になりました。また、ヒヤリハット集「虎の巻」や「詰めパソコン」は業務の効率化だけでなく、人材育成にもつながりました。

改革4 広報・PR

【具体的な取組】
・ホームページ内に「職員紹介」や「働きやすい職場づくり」のページを開設し積極的に発信
 
→職場のリアルな雰囲気を町民や求職者に積極的に情報発信。
【取組成果】
 ホームページの職員募集ページのアクセス数が取組前より約17倍に増加し、応募者数も増えました。

今後の取組・取組の感想・これから取り組む方へ

【今後の取組】

 今後も「あそこで働きたい!」「あそこなら成長できる!」と思ってもらえるよう「選ばれる魅力的な職場づくり」に取り組んでいきます。
 社会状況や国の動向、先進事例などについて積極的な情報収集を行いながら、職員にとって「自信を持って誰もへ誇れる社協」を目指し、引き続き働き方改革の推進に努めていきます。

 

【取組の感想・これから取り組む方へ】

 今の時代、働き方改革は、多様な背景を持つ職員一人ひとりが力を発揮し、持続可能な組織づくりを実現するために欠かせない取組の一つとなっています。
 当協議会では、「人が輝けば職場が輝く!職場が輝けば地域が輝く」をモットーに、様々な改革に取り組んでいます。私達の取組一つ一つは、他で既に取り組まれているものも多く、決して特別なものではありません。しかし、地域の福祉を担う責任ある団体として、町の福祉の未来をしっかり見据えた上で、具体的かつスピード感を持って改革を進めているところに当協議会の特色があるように思います。
 一連の取組の結果、職員の働きやすさが向上するとともに、「皆が同じ方向を向いている」と感じることが明らかに増え、組織全体のパフォーマンスも高まりました。業務改善や意識改革には手間や時間がかかりますが、確実に職場と職員の未来を明るくしてくれます。誰もがイキイキと働ける、魅力ある職場づくりをぜひ一緒に進めていきましょう。

働き方改革のポイント

 3つの取組の柱を定めて、多角的な取組を実施された事例。これだけ多くの取組を1度にやるのは大変かもしれませんが、貴社でも取り入れられる取組のヒントになるはず。
 アナログな仕事のやり方(意識)を変えるのは、思いのほか難しく、ツールを活用して抵抗感を和らげながら実践するあたりはさすが。職員全体が前向きに参加されている印象。