取組のきっかけ
福岡市で総合印刷やソフト開発を手がける「西日本ビジネス印刷株式会社」では、女性活躍推進やCSR認定、環境推進工場への登録など、様々なテーマを積極的に経営に取り入れてきた。その結果、福岡市の「ふくおか働き方改革推進企業」認定、厚生労働省のメンタルヘルス・ポータルサイト「こころの耳」でメンタルヘルス取組事例として掲載されるなど、様々な分野で表彰・認定を受けている。
一方で、他社との差別化や人材確保などの視点から「働き方改革に取り組まないという選択肢はない」という考えのもと、時間外労働の削減や柔軟な働き方の導入に向けた取り組みを行っている。
現時点で認識している問題意識
【時間外労働に関すること】
・デザイン部門の時間外労働が多い。(工場は、残業時間減少傾向)
デザイン担当者がお客様とのやり取りを直接行うことで、 スムーズに進める反面、お客様の過度な要求に応えている事もある。
【柔軟な働き方に関すること】
・社員が仕事と家庭を両立に課題を感じている。
子育て中の社員が急ぎの仕事を残したまま家庭の用事で退社しなければならない場合もあり、在宅で業務可能になる様に仕組みを整える事ができれば、特に繁忙期の戦力になりうる。
改革のテーマと取組内容
・制作部門の生産性向上
印刷部門は業務管理システムや最新鋭の製本機械・オンデマンド印刷機などを導入し、社員の待ち時間の削減によるストレス軽減、モチベーション向上を図る。
・デザイン部門と営業部門の業務分担見直し
デザイン担当者が必要に応じて営業同行できるようにする仕組みづくりを検討する。
デザイン部門が担当している業務のうち、営業担当者が対応可能なものの移管を検討する。
デザイン担当者がデザイン業務に専念できるよう、フォロー 体制の構築を目指す。
・柔軟な働き方の実現
テレワークの仕組みを導入し、事務所外で業務が出来るようにする(子育て中の社員から導入し効果を検証)
取組結果
・制作部門と営業部門の連携事例を創出⇒・連携に向けた体制を整備。オンデマンド印刷機も導入し、案件拡大に向けた準備完了。
・柔軟な働き方の実現⇒子育て中の社員についてテレワークによる就業開始。
今後の取組
・生産性向上については、オンデマンド印刷機の導入を顧客への提案に活かし、制作部門との連携強化により営業力の向上につなげていく。
・テレワークについては、在宅勤務希望者の新規採用等利用を拡大していく。
モデル企業から一言
・働き方改革は、経営者のみの想いだけでは堂々巡りや先走り、先細りになってしまうので、社員の意見も取り入れながら時間を掛けて検討する事と、社員のスキルアップや日頃からのコミュニケーションが、働き方改革の多くの部分を解決することを再確認できました。
・大企業などの事例につい目が向きますが、身近な部分でやれる所や、大企業ではやれない部分にこそ中小企業らしい働き方改革を引き続き進めていきたいと思います。