取組のきっかけ

 創業明治10年、小郡市でふるい網・製粉機器・海洋機器材の販売および輸出入を取り扱う『株式会社田中三次郎商店』。古いものを大切にしながらも新しいルールに合わせられる体制づくりをしたいが、社内だけでは通常業務に追われてしまい推進力に欠けると考えていた。

 また、10月1日から就業規則の変更し、①短時間正社員制度をプラス、②再雇用制度の見直し、③育児介護休暇の見直しなどを実施。

 しかし就業規則にある制度を単なる机上の物ではなく利用できる制度にするためには会社の風土・仕組みづくりが必要と感じたことから、2018年から働き方改革の取り組みをスタートした。

現時点で認識している問題意識

【有給休暇に関すること】
・有給休暇をとらない社員が一部いるので、ほかの社員がとりにくいと感じている。

【時間外労働に関すること】
・月間の時間外労働が多い社員の存在(特定の業務や時期による)。部署間で仕事に偏りがあり、不公平感を感じている社員がいる。

【コミュニケーションに関すること】
・働き方改革に対する管理職の意思が統一されていない。

取組目標

残業を減らして成長し続ける会社を目指す

・定時に帰ることを基本として状況を分析して、会社の強みを残しながら業務の再編を図る。

・作業の効率化のルールを明確にすると共に、他部署の協力のため、情報を共有する。

取組内容

アクション1 管理者のブレインストーミング

管理職同士の意識をすり合わせため、ブレインストーミングを実施。

クラウド上の付箋ソフトで共有することで、時間がない管理者での参加しやすい仕組みで、思いついた時に参加できる。

 

アクション2 困りごと共有ボード
現場が持つ課題感抽出のために、「困りごと共有ボード」を作成。
全体研修後に共感する困り感のあるモノにシールを貼ってもらうようにしたことで、働き方改革をすすめるうえでの問題点・傾向もつかめた。

 

アクション3 社員巻き込みのため、「働き方改革説明会」兼「課題抽出」の実施

A4サイズのホワイトボートを2人一組で使用し限られた時間内で意見を出してもらうために、インストと対話を実施。

 

アクション4 社内2チームを選定し「定時退社に向けた働き方改革」を実施

「働き方改革は、働かせ方改革ではない」。メンバーが当事者として、部署の課題解決を実施。

ブレインストーミングの様子
ブレインストーミングの様子

取組結果

・定時に帰ることを基本として状況を分析して、弊社の強みを残しながら業務の再編を図る
⇒業務の見直しについて会議を重ねて、実際に改善している業務もあり、以前より早く帰れるようになったり、仕事の優先順位をつけれるようになった。一方これまでの強みがなくなっているのではという不安が残った
・作業の効率化のルールを確認し、他部署の協力のために必要な情報を共有する ⇒個人対個人だったコミュニケーションをチームで意見をまとめる中で共通の課題として認識し、他チームに対して発言することで、出荷指示書の書き方のルール化等、チーム対チームのコミュニケーションに発展させ、業務改善に貢献した

社内での取り組みの様子
社内での取り組みの様子

今後の取組

・会社の強みとは何かを明確にし、引き続き業務改善に取組む。
・他部署との連携をスムーズにする方法を具体化し推進する。
・全社的には、引き続き残業時間を現状の半分にする、課題解決に向けて自走できるチームづくりを目標に取組みを進める。

モデル企業から一言

残業時間の大幅な圧縮とはならなかったが、以前とかわらない業務時間の中で働き方改革についての会議をする時間を捻出できていることから業務自体の時間は圧縮できると考えている。
今回の取り組みにより、個人に沢山の刺激と新たな視点を持てたことは今後のさらなる個人の成長にもつながることである。
チームで話し合いを重ねていくうちに、それぞれの得意なことも見つかり、良いチームワークが生まれた。
既に自走できるチームもできており組織全体のボトムアップになったと思う。