夜型営業からの脱却

 以前から男女を同比率程度で採用してきた『株式会社コスモス』。しかし、男女ともに離職率が高いことが長年の課題だった。辞める最大の原因は、夜に顧客訪問が集中する営業スタイルと残業。
 そこでモデルルームへの来店型営業に舵を切った。勇気を要する決断だったが、危惧された業績への打撃は全くなかった。むしろ、片付けが苦痛で自宅に来てほしくないという顧客もいることを認識できる契機になった。
 今では顧客のアポイントを調整しながら、社員が自分で時間をマネジメントでき、19時終業も励行されて、定着率は飛躍的に高まった。

社員に合わせた制度で業績向上

 時短勤務制度や休暇制度も充実させていった。大きなきっかけになったのは、女性社員の中から育休取得第一号が登場したこと。社員の中に「ちゃんと休める会社である」という認識が共有され始めた。
 さらなる“休みやすさ改革”として、先輩後輩の二人制営業を推進。どちらかが休んでも顧客に迷惑がかからない体制も整えた。二人制営業は、メンター制の側面を持つだけでなく、お互いをフォローでき、ミスも減る。
 このチームワークが支店全体のチームワークを活性化。業績は好調に推移し続けている。

株式会社コスモス外観画像

改革1 完全週休2日を厳守 休み方は自由裁量で

 毎週水曜日と第1、第3木曜日は必ず休むこと。それ以外の休みは、事前にシフト表で希望を出し、完全週休2日制になるように指導している。連休にするなど、自由裁量で休みのスタイルを作れるのも大きな魅力だ。

改革2 個々の能力を高める二人制営業

 二人制営業は固定ではなく、案件に応じて入れ替わる。
 ローンが得意な人とそうでない人がペアを組むことも。
 分担作業や補い合うことを通して、できる人から実践的に学べ、社員はトータルな業務能力を身に付けられる。

改革3 個人プレーより、チームプレーを評価

 個人の数値目標はあるが、二人一組で営業するため1棟販売した場合、一人0.5棟の成績になり、歩合給も折半。新人は先輩の1割くらいの仕事しかできないが、それが「早く仕事ができるようになろう」という成長促進剤になっている。また、個人の目標を皆で応援し、チームで目標達成できるようにしている。

従業員画像

取締役 執行役員 営業統括部 部長 渡辺 年紹氏(左端)
 先輩と後輩が二人一組で仕事をし、成果が半々でも不満が出ないのは、数字より人を大切にするチームワークの意識が強いから。時短や休暇などすべての制度を回す潤滑油になっています。

ホームアドバイザー・営業 中野 亜美さん(右から三番目)
 2級建築士に挑戦中ですが「勉強するので早退します」とも言える会社です。人を応援したり手助けする風土があるので、私も他社員の力になれることが自己成長の目安にもなっています。