取組のきっかけ
飯塚市でドライアイスの卸売りや機械のドライアイス洗浄を請け負う「ドライアイス筑豊有限会社」。令和元年秋に大口の案件を受注したことにより12月事業所を移転し、ドライアイスの切断や出荷作業を行う作業場の面積を大幅に拡張した。メーカーから引き続き取引先の紹介を受けるなど、順調に業容を拡大している。
一方で人材採用難から配送体制の確保が難しく、受注するかどうかの判断に迷う状態にあるため、業務の見直しによる生産性の向上と配送スタッフの確保ができる体制作りをテーマに働き方改革を進めた。
取組目標
・効率的な配送ルートの確立により配送時間短縮
・日々の業務の平準化を進め、パートスタッフの確保につなげる。
改革のテーマと取組内容
・効率的な配達ルートの確立による配送時間短縮
地図上に既存の配達先を押しピンで表示し、押しピンの間を実際の配達ルートに応じて糸で結ぶ。
複数の配達ルートでルートの統合や配達先の入れ替えができないか検討。
・業務の平準化(曜日による業務量の差を少なくする)
「火、木、土」に集中するドライアイスの切断作業を、ドライアイスを昇華させずに保存できる方法を調査・検討。
・多様な人達が働きやすい職場作り
25Kg/個のドライアイスの塊を持ち上げる作業を減らし、女性や高齢者でも対応できる自動切断機を導入。
・事務作業の効率化
販売管理システム(クラウド)導入。
取組結果
・効率的な配送ルートの確立⇒実現性があり、効果が見込めるアイデアが出た。
・多様な人達が働きやすい職場を作り上げる⇒実現に向けて取組中のものが1件、検討中のものが1件
今後の取組
・効率的な配送ルートの確立⇒夏の繁忙期に向けて、5~6月に求人を行い、配送ルートの組み換えを実施。
・業務の平準化⇒ドライアイスの昇華が少ない保存方法の確立について継続的に情報収集を行っていく。
・多様な人達が働きやすい職場作り⇒自動切断機の導入について12月の繁忙期に向けて、ものづくり補助金の申請を行い、10月中の設備導入を目指す。
・事務作業の効率化⇒販売管理システム(クラウド)の導入について、4月中に設定を完了させて5月から稼働を開始する。また、納品書を違う納品先に置いてくることを防止するため、運用方法を変更する。
モデル企業から一言
モデル企業に選んでいただいたが、働き方改革が本当に実現するのか懐疑的であった。
これまでお客様を増やすこと、生産性を上げることが意識の中心にあり、働き方改革という視点は少なかった。
今回、働き方改革という視点から、あらためて自社について考える機会をいただき、問題点が浮きぼりになった。
見方を変えて、見えるものが変わってくると、気づくことが多かった。その結果、考え方の引き出しが増えた。
経営者としても成長するきっかけをいただき、自らの成長が社員の成長、会社の成長、働き方改革実現につながると感じています。