職場を活性化する9連休効果
セメント系建材メーカーとして、新製品や環境保全型製品の研究開発に力を注いでいる『二瀬窯業株式会社』。
3年前から同社は、有給休暇と休日を組み合わせた9連休の取得を促進している。この制度は、社長の声かけから始まった。協力し合う社風、メリハリのある働き方を実現するために、長期休暇制度は起爆剤になる、との考えだ。
1年目はお盆、年末年始など4つの時期から選ぶ方法をとったが、繁忙期と重なり、会社に残る人の負担が増えたため、2年目からは新年度(4月)の切り替わり前に全社員が休暇を自己申告し、好きな期間を選べるように変更。3年目の今年は、部署ごとにシフトを組んで休む体制が大方整ってきた。
社員間の扶助意識もアップ
誰がいつ休むのかというカレンダーを部署ごとに共有し、社員が互いに休暇を取っている人のフォローを意識するようになった。そのため、自分の担当業務外の仕事を覚え、視野を広げる契機になったという声もある。
また、日常でも他の人を手伝うようになるなど、同社の理念にある「和」の気風づくりにも確かにプラスに作用している。
改革1 全員9 連休取得を前提に、徹底して取得を促進する
必ず年末に全社的にチェックし、9連休の取得状況を確認。ギリギリまで取らない人(昨年は2名)に対しては、最終的に9連休にこだわらず、連休を取得してもらっている。ただし、目標は9連休全員取得。改革には、会社側の積極的な働きかけが不可欠だ。
改革2 社員及び取引先 みんなが幸せになる会社
「社員自身が心身ともに健康で幸せな状態になければ、お客様を幸せにはできない」というのが社長の考え。健康診断を徹底したり、カラダに良い水が自由に飲めたり、社員一人ひとりの健康まで気を配る。
改革3 男性社員にも出産の特別休暇制度
男性社員に対し、出産日から連続で2日間、出産立ち会いのための特別休暇制度が設けられている。ここ3年間では、ほぼ100%の取得率。男女ともに仕事と生活の両立を支援する取組みは、重点項目の一つだ。
人事財務グループ 係長 尾形 真一郎さん(左)
仕事が増えすぎるとパフォーマンスは落ち、ムリムダムラが生まれます。逆に気持ちにゆとりが持てれば良い仕事が期待出来ます。9連休で少しでも社員の幸福度が上がればいいですね。
業務部業務課 大久保 亮亜さん(右)
ホークスが大好きで全国のゲームを追いかけるのが趣味。地方球場での試合ほど平日が多いので、9連休を大活用しています。休むために頑張り、休んだ後は気分よく働け、いい循環となっています。